5人が本棚に入れています
本棚に追加
「フィーさんの、人間を動物に変えるマジックを、わたしたちにも……」
フィーの、マジックを?
「……はい、フィーさんの魔法で、動物になれたらいいなって、わたしたち、ずっと憧れていて……」
淡いオレンジ色の髪の、おっとりとしていそうで、きゃしゃな女の子が小さな声で言う。
「わがまま言ってごめんなさい。無理なのは分かっています……」
肩くらいまでの長さの紺色の髪と、同じ色のきれいな瞳を持った大人しそうな女の子が俯いてしまう。
フィーでよければ、もちろん良いけど……。
「…………本当ですか……? やった……!」
「ありがとうございます……! 凄く嬉しいです……!」
「ついに動物になれるんだ……。しかもフィーさんのマジックで……!」
そんなに喜んでくれるなんて……。ちゃんと期待に応えてあげられるかな……?
がんばらなきゃ。舞台に立ってる時よりもずっと緊張しちゃってるかも……。
それで、みんなどんな動物になりたいのかな?
「じゃ、じゃあ、わたしはかっこいい狼で!」
「かわいい猫でお願いします!」
「狐がいいです! 本当に変えてもらえるなんて……!」
分かった! じゃあいくよ!
えいっ。
ポン! と、三人の女の子たちがピンク色の煙に包まれて…。
最初のコメントを投稿しよう!