序章 magic

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「フィーさんの、人間を動物に変えるマジックを、わたしたちにも……」  フィーの、マジックを? 「……はい、フィーさんの魔法で、動物になれたらいいなって、わたしたち、ずっと憧れていて……」  淡いオレンジ色の髪の、おっとりとしていそうで、きゃしゃな女の子が小さな声で言う。 「わがまま言ってごめんなさい。無理なのは分かっています……」  肩くらいまでの長さの紺色の髪と、同じ色のきれいな瞳を持った大人しそうな女の子が俯いてしまう。  フィーでよければ、もちろん良いけど……。 「…………本当ですか……? やった……!」 「ありがとうございます……! 凄く嬉しいです……!」 「ついに動物になれるんだ……。しかもフィーさんのマジックで……!」  そんなに喜んでくれるなんて……。ちゃんと期待に応えてあげられるかな……?   がんばらなきゃ。舞台に立ってる時よりもずっと緊張しちゃってるかも……。  それで、みんなどんな動物になりたいのかな? 「じゃ、じゃあ、わたしはかっこいい狼で!」 「かわいい猫でお願いします!」 「狐がいいです! 本当に変えてもらえるなんて……!」  分かった! じゃあいくよ!  えいっ。  ポン! と、三人の女の子たちがピンク色の煙に包まれて…。
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