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「まっず!!!」  一瞬でオレは噴飯バズーカと化した。ゲボゲボに甘い。 『うわ、塩と砂糖間違えた!! ……わ、悪い!! 食わなくていいから……って、笑うな!!』  『オレ』に直撃したけどオレにぶつかった瞬間に食い物のカケラがどっかに吹っ飛んで消え失せる。  なんだコレ気持ち悪っ!  オレはたまらなくなって外に出た。  外はもっと気色の悪い空間が広がっていた。  昨日着いたばかりの、見覚えのある街並みに広がるのは一面のオレ、オレ、オレ、オレ、オレ、オレ、オレ、オレ、オレ、オレ、オレ、オレ、オレ……数えるのもバカらしくなる。   『この髪飾りキレーだな。お前似合うんじゃね? ……なんだよ、からかってなんかねーよ、ほんとだって』  露天商の店の前にしゃがみこんで虚空に向かって笑うオレ。 『ここの屋台のまんじゅうはウメーな。いくらでもいけるぜ……なんだよハムスターって! こんな美男子捕まえて失礼な奴だな!』  まんじゅうをパクつきながら自意識過剰な事を言うオレ。 『でっけー街だよなあ。オレはこの前のちっちゃい村くらいのが落ち着くけど』    計算されつくした街並みを見ながら呆れたような、感心したようなオレ。 『お前もたまにはこういう綺麗なドレス着ればいいのに……確かに冒険には向かねえけどさ。別にオレが見たいってんじゃないんだからな!』  ぐわーあああ、オレまみれでキメエ! まだコレが襲い掛かってくるとかなら手っ取り早いのに、試しに切っても感触も反応もガチガチに硬くて歯が立たないし、同じこと繰り返してるのがキメエ!!!  密かに気にしてるややチビな事に関して耳元で悪口言ってもなんともなくて怖え。  なんかの幻視系の魔法かと思ったけどこんな大規模の奴は少なくともオレは見たことがないし、仮に使えるやつがいたとしても極々まれなもんだと思う。  こんな光景マリーがみたら十分くらいは鍛えた腹筋抱えて笑ってそうなもんだが。  ……そうだ、マリーは!? あいつはどこへ行ったんだ?
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