失踪~蒼斗side~

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俺はブルーに扮して、後部座席に乗り込む。 「桐生会長もあの分だと…自ら蒼斗と桜さんの仲を認めて、一族たちを説得するかもな」 助手席に座る紡さんが俺に話し掛けて来た。 「それならいいんだけど」 しかし、生きて…無事に桜と一緒に夢街を出られるだろうか? 「お二人共気を引き締めてください」 運転する紘人さんが俺達に忠告した。 もうすぐ、夢街と繋がる唯一の一本橋に差し掛かる。 橋の手前には検問が設けられていた。 正面から街に入るには通行許可証が必要だった。 予め用意した偽造の通行許可証を紘人さんが手にしながら、様子を注意深く見た。 検問で立つ男性の前に車を停止させる。 俺がパワーウィンドを開けて、男性と顔を合わせた。 「ボス…お疲れ様です」 どうやら、俺をブルーに扮した賀集さんと勘違いしたよう。 紘人さんはその様子を確認して、偽造の通行許可証は見せず、車を発進させた。
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