完全なる管理社会の中で

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「サテ、攻撃ガ生温イダッタナ? 」 「……あ?あぁ、張り合いがねえな」 「ナラバ手数ヲ増ヤソウ」そう言い右腕を振るうと、前腕部から刃がじゃきんと飛び出した。 刃渡りは40cm程だろうか、材質は恐らく左手の針と同じもののようだ。 ロボはニヤリと金属製の歯を剥き出しにすると、今度は飛び上がらずに一直線に突っ込んできた。 自身の間合いに入ると左腕を振り、針を突き刺そうとする。 その針を後ろに下がり間合いギリギリで避けると、今度は右の刃の突きが俺に迫る。 直感で避けられないと思った俺は、ブレードを軽く角度を付け垂直に構える。 突きの軌道をずらしたのだ。 ぎゅりりとブレードと刃の擦れる音が部屋に響き渡る。 「ドウシタ? 打チ合ワナイノカ? 」 「へっ、うるせえ……気が変わったんだよっ! 」 ぐんと一歩踏み込み、左拳で剥き出しの頬を殴打する。 そして拳を戻すと同時に、体勢の崩れたおかげで自由になった右のブレードで袈裟懸けに切り裂く。 (浅いなクソッ……) 思わず舌打ちが出た。 傷口を見ずとも手へ伝わる感触で察する。 人工皮と外骨格の金属を薄く切っただけだと。 「危ナイ危ナイ。次ハ我ノ番ダ」 ロボは切られた胸元を一瞥すると、針と刃が俺へと向いた。 もう真正面からの防御はしないと決めていた。 斬撃と刺突の連打をスレスレで避け、見切り、かわす。 どうしても無理な場合はブレードの角度で攻撃をいなし、流す。 受け止めるではなく、避けて受け流すことに集中していた。 そうしている内に業を煮やしたのか大きく刃を横凪ぎに振るった。 これを避けたら反撃を……と考えた瞬間、腹に衝撃が走る。 思わずそちらを見ると、ロボの前蹴りが俺の鳩尾に突き刺さっていた。 俺は弾かれるように吹き飛ばされ、壁へと叩きつけられた。
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