第2話 針の騎士は花を描く

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「……カールベルク城には母の描いた細密画もまだあったはずだ。今度立ち寄ったら持ってこよう。見れるか、見れないかは、もちろん、そう、それもまた、君の努力次第だがね」 「はい!頑張ります!!お師匠様!」  テオドール・パーシファー・ティーゼルノット。その類まれなる精緻な剣技と、貴婦人達がこぞって求め、吐息を漏らす程の美しく斬新な刺繍で後世に『針の騎士』と讃えられるようになるのは、もうすこし後の世の話である。
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