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「成る程な。自分から城に帰ってくるなんてどういう風の吹き回しかと思ったらそういうことか」
『というわけで、とっととこのむさ苦しい部屋を片付けるのよ。こないだみたいに『お忍びで』陛下がやってくる日だってあるんだから』
「エレーヌか」
『せめて酒瓶の転がってない寝台で寝ててちょうだい。ソファなんかで寝てるから千載一遇のチャンスを逃したんでしょ?』
「おい何だその千載一遇のチャンスとやらは。俺を不敬罪で絞首刑にするつもりか」
『「酒瓶以外の者を抱いたら朝まで寝かせはしない」って豪語してたそうじゃないの』
「そんな昔の話は忘れたぞ。ゴードンの奴、相変わらずろくでもねえことばっか覚えていやがる……」
半ば頭を抱えるように愚痴を吐き出してから、ファルコは部屋の隅に放り出してあった魔法使いのローブを引っ張り出す。
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