第一章 見えない瞳

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「でも、千花、ひとつだけ約束」 「んー……??」 浮き足立ってる彼女の様子を見て、 そっと頭を撫でながら条件を話す。 「俺の事は家族には話すな、 周りの人にも話すな」 「え、なんで?」 「………なんでも、だ。」 そう言って彼女の頭から手を離すと、 彼女は不服そうに頬を膨らすも、しっかりと頭を縦に振ってくれた。 「……あ」 「ん?」 「じゃあ、この関係は私とテンしか知らないね!秘密の関係だ!」 子供とは感情の切り替えが早いもので。 俺たちの関係に友達だけでなく"秘密の関係"というワードを勝手に入れ、勝手に喜んではしゃいでる。 「っはは、……お前、やっぱ変だ」 ころころ変わる表情が何だか可笑しくて、彼女にバレないよう、密かに笑った。
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