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 シェフが皿を置くと、少女は穏やかな表情のままナイフとフォークを手にする。その重みが心地よいのか、静かに微笑みを浮かべる。  レストランには、少女以外の客の姿も、ウエイターの姿もない。  余計なものなどあるはずがない。ここは彼女のための場所。彼女を幸福にするために、〈神様の胃袋〉が用意した場所。
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