遠征地獄と遠征天国

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「山中さん」が筑波山を睨んだ日から関東地方に住む人は、 みーんな粛清神をあがめる信者って事になっています。 何を隠そうそれ以外の人は、その地で生き残れなかったのです。 【郷に入りては郷に従え】を地で行く「山中さん」は、 異教徒に対しても、関東平野では容赦しないのです! 指がヘシ折れ飛ぶリスクを考えるなら、 身の程を知る人間は関東地方に立ち入りません。 しかし、関東地方も一応日本の一部。 というかやっぱり東京都に首都があるので、 転勤やら修学旅行もあるし、 スポーツ選手の遠征なんかもあったりします。 そこで、関東地方に行けるかどうかが、 男の度胸試しになるんですね! スポーツ選手なんて指が一本無くなれば、そこで選手生命終了しますが、 「私は関東に住むファンに背を向けます」って宣言すると、 関東在住ではないファンからもブーイングが出ちゃうんです。 逆に、指を無くしてでも陣入りした選手は、 テレビでも新聞でも、大きく取り上げられ、 まるで英雄かの様に扱われるのがこのご時世! でも、最後の一本まで無くしちゃうと手のひら返し、 今度は指を指されて笑い者にされてしまいます。 アンチ派はチアガールやコンパニオンを用意しているものですし、 有名人になるには、メンタルトレーニングも欠かせません。 世知辛いですね! それから、結婚後のハネムーンに合わせて、 結婚前のキラービームーンもブームが到来。 ハネムーンのハネは甘いハチミツ、蜜月(みつげつ)なんて呼ばれますが、 キラービームーンは殺人蜂の月、滅月(めつげつ)なんて恐れられています。 結婚前の男試しって事なんでしょうけど、 もし指なくなったらどうすんの? 破局? そんな儀式を強要する女とは、同じ墓に入れそうにありませんわ! まー、そういう事ですから、 「山中さん」の目が届かないギリギリの立地では、 うっぷんを開放できるお店がズラリと立ち並ぶわけなんです。 禁欲地区を取り囲む様に、ぐるっと快楽ラインの出来上がり! そのラインを境目にして、 両勢力は自分の方が格上だと思い、バカにしあっているのです。 神様がいたって救ってくれないし、世界は何にも変わりません。 分別がついて隔たりができるだけなんです。 混ざっていたら不満が募り、分かれていたら争いが起こる。 悲しいかな、神様は象徴に留まりけり! 南無阿弥陀仏! 南無阿弥陀仏!
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