神殺しの旅

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日本人なら一生のうちに、 一度は行ってみたいであろう富士山登山(ふじやまとざん)。 「山中さん」が座っていても、 富士山は人気の登山スポットであります! ただ、悲しい事に「山中さん」は、 まがりなりにも人の形をしているもんですから、 「山中さん」に雪が降り積もると、恐ろしい事故が発生します。 身体に乗った雪の塊が、ランダムで落ちてくるんですよ。 雪崩ならある程度、発生する時期が予測できるけど、 クシャミや鼻すすりのタイミングって、お察し不可能ですからね。 さて、恐いもの知らずの登山者が、今日も富士山に登っていきます。 稀に、「山中さん」をクライミングする血迷った輩もいますが、 名誉ある偉業はやっぱりマウントフジに限ります。 勇敢なるパーティは、日本一高い場所といわれる剣ヶ峰へ。 いやー、今日も頂上はにぎやかですね。 富士山って、いっつも頂上に誰か人を乗っけているみたいです。 「山中さん」が居座る前から、頂上にはいつも人がいたんですね。 おやまあ? 剣ヶ峰に着いた一部の登山者が、 おもむろにバックパックからエロ本を取り出しています。 何をするかと思えば、登山者はそれを読む事はせず、 地べたに置いて接着剤で固定し、満足げな顔をしています。 どうやらモニュメントを作って、意思表示をしている模様です。 よく見ると、頂上に建てられた石碑を囲む様に、 エロ本を接着剤で固めて作った、 柱や壁が乱立しているではありませんか! その姿はまるでストーンサークル! こうやって遺跡は作られていくんですね~。 流石、世界自然遺産ではなく、世界文化遺産なだけはあります。 いよっ、信仰の対象と芸術の源泉! それにしても、一体何が目的なのでしょう? 嫌がらせ目的の異教徒もいるみたいですが、 好んでエロ本遺跡を作っているのは、熱心な信者たちとみられます。 供物として奉納し、祝賀をあげているみたいです。 しかし「山中さん」って、そういう趣味あったの? この人、純愛しか許さない性分みたいですよね? 人がそれを好き好んでいたとしても、神も同じ物が好きとは限りゃせん。 「色なし人生は辛いだろうから」って、情けをかけた結果なのでしょう。 しかし、それは神の御心に触れるどころか、 逆鱗に触れちゃっているのかもしれません。 やはり神と人はわかり合えない宿命にある様です! 南無阿弥陀仏! 南無阿弥陀仏!
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