2nd post : 制服は戦闘着

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 痛かったのだろう。ネコが鳴き声をあげて身をよじる。  一体なにをするのだ。思わず地曳が身を乗り出したその瞬間。    彼女の目の前に、淡い(あお)が広がった。  炎が広がるようにぼわっと。  あまりに突然の出来事に、彼女は息を止める。  炎のようなそれは、それにしては頼りないほどに淡く、それなのに力強く、その場の大気を染めるように広がる。  彼女の瞳は、碧を離さない。  碧は広がり続け、その場にある壁も緑をも染めあげた。  青年の髪が風に撫でられたようにふわりと揺れている。  目の前に広がった、理解のしえない世界。その出現に為す術もなく、肩から力が抜け、ずるりとカバンが落ちた。  常軌を逸したその光景は言葉を超え、それを形容しようと頭のなかで言葉を探す彼女の手をすり抜けた。  かろうじて開いた口から息がもれる。  だがそれもすぐに碧に染められて舞った。  視界の隅で光りがちかちかと瞬く。  しかし突然、ふっと空気の塊をぶつけられたような衝撃ののち、景色は碧を失った。  いつの間にか眼前の光景に引き寄せられるように、前のめりになっていた地曳の体は、引力を失ってよろける。  そのまま、路地のコンクリートに顔を向けたまま、彼女は固まった。     
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