3rd post : 床ではねる銀の水筒

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「今度は女だって、刺されたの。42歳の2児の母。犯人女子大学生」  因みに、彼女は中学生2・3年生の頃同じクラスで、同じ小学校に通っていた友人である。  小学生の頃に同じクラスになったことはないが、彼女は目立っていたのでよく目に止まっていた。 「『魔法使いは1人でいい』ってさ。怖くない? シューキョー?」  彼女が話しているのは、会社員が若者を殺した1週間前の事件ではなく、新たに近辺で起きた通り魔殺人事件のことである。  いきなり襲いかかって刃物を頸動脈に正確に一刺し。その後狂ったように何度も刺す。その異常性から怨恨(えんこん)の線を疑ってみても接点は全くない。麻薬等の使用を疑っても出てこない。  そう、人間は違うというのに、1週間前の事件と手口は全く同じなのだ。  それに加え、以前の事件の会社員男性も今回の女子大学生もしばらく呼びかけにも反応できず、回復してからは犯行について問いただしても「覚えていない」の一点張りらしい。  真希の言うように警察もなにか組織やグループ、サイト等が関わっている可能性を考えているらしかった。  『魔法使いは1人でいい』というのは、通り魔がひたすら繰り返していた文言らしい。     
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