4th post : 1口も飲まれていないミントティー

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 因みにこれから見る映画は、真希の見たい話題の恋愛映画。評判は上々、なにより真希の好きな若手俳優が出演していた。  映画館は海側の駅に隣接している。 「すみません」と料理も運ばれぬうちに、テーブルに、店員がやってきた。 「お一人OKですかね?」 「あ、OKですよー」 「いつも、ありがとうございます」  真希を他店の店員と知っていたらしい。白シャツに黒の腰で巻くエプロンを身に着けた店員は、慣れた口調で相席の確認をすると、少し照れたように小さく頭を下げて入口へ駆けていく。 「こちらの席へ」 「あ、はい」  店員が連れてきたのは、不安げに肩掛けバックの紐を両手で掴む少年だった。  少年といえど彼の身長は高く見えた。ただ、まだ体に厚みがなく、ひょろっとして頼りない。文化部か年下か、と地曳はあたりをつける。顔は整っており、爽やかな服装がよく似合う、アイドルにいそうな少年。 「お、将来有望イケメン」瞬時に上から下までチェックをしたであろう真希が呟く。 「すみません、お邪魔します」 「どうぞどうぞ。君ひとり? 珍しいね」  席を勧めながら、真希は質問を投げる。初対面へのこの自然な対応はさすがである。 「美味しいって聞いて。えっと、……大学生さんですか?」 「違う違う高校生! 君は?」 「そうなんですか! 大人っぽいですね。僕中1です」 「思ってた以上にわっか!」  油断していれば、少年もなかなかの人たらしらしい。     
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