4th post : 1口も飲まれていないミントティー

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#魔法使いとその刺客  夜になると、煌々と光るライトのせいでビル街は明るい。  映画も終わり、真希と別れた地曳は、駅前のバス停からは乗車する気になれず、無意味に次のバス停までの道を歩いていた。  あの後に見た恋愛映画は入ってこなかったし、顔色の悪さを心配した真希に気を使わせて、アウトレットも見ないまま解散になってしまった。  最悪の日だと地曳は思った。一生分の不幸が今日あのレストランに集約した、と言われても頷けるほどに。  さらに地曳の気を重くさせるのが、蔵田翔とまた会う可能性があるということだ。  思い出して地曳はげんなりした。  偶然出会って親しくなった人間と「またどこかで」と別れることは、地曳はないがドラマではよくある。ドラマなら再会するだろうが、現実にはたとえ連絡先を交換していても再会することは無に等しい。  蔵田とは連絡先も交換していない。真希も交換していないらしい。しかし、今日出会ったのは恐らく偶然でないし、蔵田ならやるだろうという確信が地曳にはあった。それだけ、明確にまた会う未来を想定した「じゃ、また」だったのだ。  それに困ったことに、ほぼ確実に蔵田も何らかの特異な力を持っている。それでいて、使うことに抵抗がない。     
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