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トキメキ電車
畑中笑里、今ものすごいチャンスを目の前にしています! ……なんて友達にメッセージを送りたくなるような緊急事態。大学帰りの電車、ほどほどに混雑した車内。空席見つけただけでもラッキーなのに、同時に隣に座ったのは憧れの南航生くん! 去年のミスターコンテストでうちの大学のトップに輝いためちゃくちゃ好みのイケメン。ふわふわの明るい髪、くりくりした大きな目で少し幼く見える感じがとにかくツボで、ひと目で落ちてしまった。
同じ大学なわけだし、友達とかに会ったりすることもあるし、ありえなくもない話だけどこんなことが起こる確立なんてほんのわずかなわけで、冷静になれるわけがなく、こうして一人、わーわー心の中で騒いでるわけです。
ちなみに実際にメッセージを送らないのはうっかり航生くんに自分のハイテンション会話を見られたらやばいから。いくら航生くんがフレンドリーで優しいという噂でも、これだけ近かったら覗く気がなくともスマホの画面なんて見れてしまう。「尊い」とかスタンプを鬼のように送って、それで引かれて、画面から情報を特定されて、それで噂とかされたら大学生活っていうか人生終わり。やだ、怖い。
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