第五章 涙のわけ

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 本来は自分で気づくものだ。ルゼッタの占星術はアドバイスとして捉えているけれど、おれが気にしていることをドンピシャで言い当ててくると……やはり最優先で解決しなければいけない事なんだろうなって思い知らされる。  「わかった。このあとすぐにリーゼに謝りに行くよ」 「あの小娘とて、そち同様に苦労をしているのだ」 「光と闇……だろ」 「うむ。全く、子供よな。体だけ大きくなっても意味がないのだぞ」 「うっせーよ」 「まあ、したくなったら来い。知っておるぞ、そちのモノが大きく――」 「それ以上言ったらこの場所消し炭にするから覚えとけよ」  こんな冗談もここでは何度言い合ったか……だがまあ確かに、体は正直なもので……この場所は刺激が強すぎるのも事実だ。  得るべきものは得た。真っ先にすべきことは謝罪……本当に、自分の事しか考えていなかったことをルゼッタに言われて思い知らされるなんて。  プライドが高いって事……なんだろうな。
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