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「……私、ですか!?」 「ドッグマンのカツサンド、マスタード抜きだからな。わかってるだろうな」 いや、そんなの知るかよ、と、喉元まで出かかった文句を引っ込め「はい」とだけ答えてすぐにケータイを取り出した。 ドッグマンにカツサンドを注文し、今からすぐに取りに行くと伝える。 電話をしながら、すでに足はスタジオの外に向かっていた。 何だよ、パンがぱさぱさ、って。 それぐらいで買いに行かせるか、フツー。 いや、あれはスタッフも悪い。相手が七きゅーだからってへいこらしすぎなんだよ。 タクシーの中でさっきのやり取りを思い出して今さらながらムカムカしてくる。 業界御用達のそのサンドイッチ屋は、スタジオからタクシーで十分ほどのところにあった。 タクシーを表で待たせて、大急ぎでサンドイッチを受け取るととんぼ返りでスタジオに戻る。これ以上、主演である七きゅーの機嫌を損ねることはしたくなかった。
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