隣席の君

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 「ふぅーん。なるほどね」  目覚めた朝の放課後、僕は坂上さんと向かい合わせになって昨日僕の身の上に起きた話を聞いてもらっていた。坂上さんは相変わらす眠そうに机の上に両腕をついたままその上に頬っぺたを乗せている。 「それ、君の直感は当たりね。付いて行かなくて正解だった。そのまま付いて行って居たら、そのまま一生戻ってこられない所だったわ」  坂上さんは眠そうな瞼を持ち上げながら、相変わらずなんの根拠があるのか自信たっぷりに言い切った。一体坂上さんは僕について、どんな夢を見たって言うんだろう。 「坂上さんの見た夢がどんなものだったか、僕に教えてくれないか?」  危険が我が身に迫った事を悟った僕は、好奇心を抑え切れずに坂上さんに聞いた。 「あら、それは教えられないわ。でも、これをあげる」  そう言って、坂上さんはキラキラと上品に輝く白地に薄い翡翠色やピンクの糸で縫い取りをした綺麗なお守りをくれた。 「これを、持って眠って。きっと貴方の事を守ってくれるはずだから」
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