隣席の君

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 もうだめかと思い天を仰いだその時、天井から魔方陣の様な……大きな円形の枠にレースを張った様な真っ黒な物体が降りてきて、僕と腕との間に割って入った。  すると魔方陣の様な物体はあと2体ほど同じようなものが降りてきて、僕と空間との間に入り込み、あっという間に僕を気持ちの悪い空間の外にはじき出して空間を囲い込んでしまった。そして気持ちの悪い腕と肉壁は魔方陣に挟まれて、まるでボンレスハムのようにギュウギュウと締め付けられた。 やった! これで気持ちの悪い空間から開放される!  と思った時、右の手首にギリギリと締め付けられるような違和感を感じて、レースの網目の隙間から伸びた腕がまだ僕の右手首を掴んだままだと言うことに気が付いた。
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