隣席の君

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 彼女はその後の授業中も眠り続け、悪びれる様子も無く、放課後に目を覚ましては先の言葉を俺に言った。 「ねぇあなた。眠りほど不思議な状態ってないと思わない? <中略>なんだか私、怖いわぁ……」 突然訳の分からない事を言いわれて僕が面食らっていると、彼女は言葉を続けた。 「私ね。いつも……そう。授業中なんか、よく眠っているでしょう。眠っている間、あの間は、生も死も超えた世界に行っているの。だから一層、戻ってこれるのかわからなくなって怖くなる。 えっ? なぜそこが今いる世界と違うのかががわかるのかですって?   それはこれから先の話を聞けば分かるはずだわ」 そう言って、彼女はクスりと笑った。  「私は眠っている間にこれまで何度も生と死の狭間を見た事があるの。この前隣のクラスの子が窓の外に並べてある植木鉢の順番を入れ替えようとしてうっかり手を滑らせてしまった事があったでしょう。その時下を歩いている子の頭へ落ちるはずだったのだけれど、夢で見たから私、その子の手を引いて寸でのところで避けたの。  それから一ヶ月前の事故も…… ふぅん。その目は信じないのね。いいわ、さっきたまたまあなたの未来を見たの。貴方次第で、救ってあげても良いのよ」
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