雪だるま

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さっちゃんの隣で笑う彼女から目が離せなかった。ちょっと待て、こんなことあるはずがない。 「実咲(みさき)て、言うんだけど。いい子なんだよ、本当に。もし結城くんが…」 「さっちゃん!紹介して、マジで」 「え?えぇ?!どうしたの?!」 「いや。まぁ」 「結城くんの必死なの初めて見た!一目惚れ?可愛いでしょー実咲」 「……そうかも」 可愛い。 それは認める。 でもそれだけでこんなに胸が高鳴るのか?鼓動がうるさくて、目が離せなくて。 二度と会えないと昨日まではそう思っていたのに。 これはもう奇跡だ。 今まで俺は自分のことすら分からなかったのかもしれない。26年生きていて初めて、こんな感情を知ったのだから。
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