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「気をつけて帰れよー」
「結城もな!」
居酒屋を出たときには23時を回っていた。季節は冬。酒で火照っていた体もすぐに冷たくなっていく。
酔いまで冷めてしまった。二人と別れコンビニにでも寄ろうかと歩き出そうとしたとき一瞬時間が止まったような気がした。
ちょうど店から二人組の女性が出てきた。
マフラーを巻き直しながら隣の女性に笑いかけている。それだけのことなのに。
何だ。
目が離せない。
立ち止まる俺の横を通りすぎていく。
俺は何で止まってるんだ?
おかしい。
冷めたはずの体が熱くなっていたからだ。
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