雪だるま

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酔っているのか? きっとそうだ。 時間が止まっていたような錯覚。ただリアルに聞こえる胸の鼓動。 「くそ……」 振り返ったときにはすでに彼女はいなかった。 ガシガシと乱暴に頭を掻いて、目を閉じる。この感情はなんだろう? 一瞬だったというのにどうして顔を思い出せる? 「帰ろ。酔ってるわ…」 そう言い聞かせるも気になっているのは事実。 馬鹿らしい。 学生じゃないし、ガキでもない。成人した普通の社会人だろ。 まさか俺が一目惚れだなんて信じたくもなかった。
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