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桜が散り始める季節だった。
私は緊張で吐きそうになりながら、先輩を探していた。
手には、先輩への誕生日プレゼント。
三年に上がり、部活を引退した先輩に会うことはめっきり減っていた。
そんな中訪れた先輩の誕生日。
私は、この機会に一大決心をしていた。
「ど、どう言えばいいかな・・・・・・」
この想いを伝えたい。
その気持ちに押されて、私は先輩を探して歩き回っていた。
「浩介なら、屋上じゃないかな」
「あ、ありがとうございます」
先輩の友人に居場所を聞き、さっそく屋上へと向かう足取りは、何時もとは違っておぼつかない。
緊張と不安で揺れる心をプレゼントごと抱き締めて、私は屋上のドアを開いた。
そして、見たのだ。
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