桜の木の下に

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 それから、私は二人を避けた。  沙耶の言い分にも耳を貸さず、先輩の物言いたげな視線も無視して。  陸上部を辞めて、ひたすらに耳を塞いでいた。  桜の木を墓標に見立て、砕けた私の残骸を、私の恋の亡骸を埋めたのは、その後のことだ。
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