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ある夜、太郎がふと目覚めると、あたりはまだ暗く、時計を見ると、3:33で、夜明けにはまだずいぶん時間があった。太郎は安心してニ度寝をした。
しかし、かなりしっかり寝られたという実感を伴う二度寝の後の目覚めでも、時計を見ると3:33のままだった。午後まで寝てしまったかと太郎は大いに焦ったが、あたりはいまだ、静寂を纏った暗さで、深夜なのは間違いなかった。
24時間寝てしまった可能性も考えたが、時計の日付が1日進んでいる事もなかった。
時計が壊れたのかもしれない、と太郎はスマホで時刻を確認したが、スマホが示す時刻も3:33で、日付も同じで、時計の故障でもないようだ。
いろいろ釈然としない点はあったが、今がまだ寝ていてもいい時刻なのは間違いないようなので、太郎はもう一度寝ることにした。
そして3度目の目覚めで、太郎が最初に目にしたのは、暗い寝室の中で、淡い緑の蛍光色のデジタル表示の数字が示す、3:33という時刻であった。
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