2.家出

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 周助がしばらく素振りをしていると、バタバタと足音がした。 「お初。どうしたんだ、そんなに慌てて」  道場の戸口に現れた初は不安げな表情で周助を見た。 「さくらを、見ませんでしたか?どこにも見当たらないのです」 「いや、見てねえが…」 「どうしましょう…もう夕方になるし、外に出歩いて行ったとしたら、危ないですよ。やっぱり、私が悪かったのね…」  初は先ほどのことを周助に説明した。 「家出、したかもしれねぇな…」 「やはりそうなのでしょうか!?あの子ったら、一体どこへ…」  周助には何かひっかかるものがあった。しばらく考えて、それが何なのか思い立った。 「源三郎のやつ、やりやがったな」 「源三郎さんがどうかしたのですか?」 「なあに、心配いらねえよ」  わけがわからない、といった顔の初に、周助は自分の予測を話して聞かせた。     
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