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私は特に可愛い訳でもない。 自分磨きをするわけでもない。 だからどう考えても不利で不要だった。 彼女の愚痴を聞いて、適当に相槌を打って流して。 あいつが別れたくなった時にはダシにされる。 それでも十分幸せだった。 友人としての付き合いが長くなるにつれて2人の秘密は増えていった。 それも幸せだった。 だから無かったことにしようとしていたのに、人の心を見透かすみたいに誘導尋問されて、勢いで告白するハメになった。 今でも思い出すだけで不愉快だ。 知っててずっとちょっかいをかけてきたのだとしたら、本当になかなかにいい性格をしている。
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