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告白の返事は保留にされて、一気に距離が縮まっていった。
私は別に想いを隠す必要は無かったし、向こうも特に気を遣うわけでも無かった。
泊まる日数が増えて、2人の時間が増えて、幸せな時間も増えた。
2人だけの空間でいつも秘密を共有し続けた。
彼の出生、私の出生。
お互いの生い立ち。
親にも友人にも話せない秘密。
驚く程に似ていた私たちはお互いが安心出来る場所になっていた。
それでも、それから1年と2ヶ月後。
告白の返事はNOだった。
初めてあんなに泣いたと思う。
でも初めて人を強く想う事ができた。
「ごめんね。でも変わらないでいて。距離を取らないで。」
それが彼の願いだった。
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