幼馴染みの彼【2】

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幼馴染みの彼【2】

「夏鈴ちゃん、ちょっといいかな?」 その日の昼休み。朝の出来事のせいで、まだブルーな気持ちを引きずっていた夏鈴に、キラキラオーラ全開の美里が声を掛けてきた。 「先輩どうしたんですか?わざわざ二年の教室まで」 「うん、あのちょっと相談したいことがあって。良かったら、お昼一緒にどうかな?」 「いいですけど・・・部活のこととかですか?」 「うん、まぁ、そんなとこ。引き続きの事とかあるし」 「分かりました、じゃあ、他のマネージャーの子も呼んだ方がいいですよね?私、集めて来ます」 サッカー部のマネージャーは、各学年二人ずついて、全部で六人いる。 誰から呼びに行こうかと夏鈴が頭を巡らせていると、 「みんなは集めなくていいの。夏鈴ちゃんと二人で話しておきたいことがあって」 と、少し深刻そうに美里が言った。いつもと様子が違うようだった。 「分かりました。じゃあ、二人で食べましょうか。どこにします?」 「中庭とかどう?」 「いいですよ、行きましょうか」 夏鈴はいつもお昼を一緒に食べている友達に、今日は先輩と食べるからと断りを入れて、中庭へ出た。 初夏の中庭は、夏の草の匂いがして、心地よい暖かさに包まれていた。 美里と夏鈴は、木陰のベンチへ腰を下ろすと、お弁当を広げる。 「先輩があたしに相談って初めてですよね?どうしたんですか?何かあったんですか?」 「うん。あのさ、夏鈴ちゃんって、好きな人とかいる?」 その急な質問に夏鈴は変な胸騒ぎがした。 そして「好きな人」というワードを聞いて真っ先に碧斗の顔を思い浮かべる。 夏鈴はなんて答えたらいいか分からず、戸惑いながら、 「いっ、いないですよ。恋愛とかよく分からなくて」 と、呟いた。
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