騒音の都

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僕はビールを片手に、取り憑かれたように通りを何往復も歩いた。そうしているうちにふと自分が空腹であるのを思い出した。僕は食い意地が張っている方なのだが、腹が減っているのを忘れてしまうとは余程興奮していたのだろう。可笑しくてつい、無理もないことさと自分で自分に声をかけた。 さて、何を食べようか。これ程食べ物が溢れているのだ。選び出すのが難しい。色々悩んだが通りの入口付近の屋台に決めた。 大体の屋台がおかずになる料理を5~10種類ほど並べており、そこから好きな物を選び出して米や麺と一緒に食べるというものだった。僕が選んだ屋台は米を扱っていた。おかずはタイ版豚の角煮とでもいうような物を選び米に乗せ、もう一品鶏の手羽元と芋の煮物を別に頼んだ。合わせて70バーツ、210円程の贅沢な夕食だ。
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