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第1章 あこがれのお姉さん
――3年前
「イルカとアシカのショーへようこそ!」
きれいなお姉さんの掛け声とともに、イルカたちが水しぶきをあげて飛び跳ねると、会場から歓声が上がる中、1人の少年はお姉さんの方を見ている。それに気付いたお姉さんは、
「(また、あの子来てる)」
と、少年の方をちらりと見た。
水族館に何度も通う人はたまにいるが、大概は水生生物が好きな人たちだ。しかし、少年は明らかにお姉さんが御目当てのようだ。それが証拠に視線は明らかにお姉さんを追い続けている。
今にして思えば彼は美少年に入るの部類なのだが、彼女は少年を恋愛対象として見ることは無く、いつものようにイルカやアシカを巧みに操っていた。
そして、いつものようにショーが終わると少年はお姉さんを一瞥して帰って行く。そんな日が週一度ほど続いた。
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