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「優ちゃんが作ったの?!」 部活から帰ってきた拓海が、テーブルの上のピラフと唐揚げを見て叫んだ 「まぁな…って、ほとんど植本が作ったんだけど」 「え?」 「拓海、知ってる?一個下の植本龍也」 「知ってるけど…でも、なんでそいつがこれを?」 植本との経緯を簡単に話すと、拓海はがばっと両肩を掴んで 「優ちゃんはケガしてないの?!襲われたりしなかった?!」 「は?!なんでオレがあいつに襲われなきゃなんねぇんだよっ!」 「だって!あいつ、すげーやんちゃでしょ」 「確かにそんな風だけどさ。でも、根はいいやつだよ。ほら、こんなの作れるし」 「美味しいものを作る人に悪いやつはいないっていう優ちゃんのこだわりは危ないからね」 「だって、本当にそうじゃん。拓海だって、すげーうまいもん作れんじゃん」 「優ちゃん」 拓海は優しくオレを呼ぶと声と同じようにオレを抱きしめた 「俺がいないとき、誰も家に入れないで」 「え?」 「心配なの」 「大丈夫だって」 「優ちゃんは、分かってないんだよ」 「何を?」 拓海はオレを自分から離すと、オレに目線を合わせて 「赤ずきんちゃんは狼に襲われちゃうからだよ」 「……バカか」 ちょっと真剣な眼差しの拓海にドキドキしながら、拓海の頭を軽く叩いて 「拓海を待ってたらすっげー腹が減った!拓海の分も食ってやるっ」 「それはダメだよー!」 顔を合わせて笑って、オレらはテーブルに向かった
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