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植本は拓海に抱きしめられているオレを引き離すと、挑戦的な視線を拓海にやる
「そ…うだけど?」
「なら、別に俺でもいいわけですよね?」
「は?お前、何言って…」
「幼馴染だけなら、俺にもチャンスくださいよ」
「だから、お前に何言ってんの?」
「俺、吉本先輩に惚れたんです」
え?今、何を言ったの?
突然の告白に動けなくなってるオレの手を植本はしっかりと握って
「俺、あんなに優しくされたの、初めてなんです。こんな俺を怖がらずに接してくれて、ケガの手当してくれて、飯を一緒に作って。この上着だってくれた。マジで吉本先輩と居る時、楽しかったんです。だから俺、一生先輩を守ってやりたいって思ったんです」
キラキラした顔でそんなことを言われて
困るとかそうは思わないんだけど…
ふと後ろにいる拓海の方を見れば、オレと同じで固まってる
「先輩!」
「はいっ!」
「俺、先輩を守りますから!おい!お前らも、先輩に変なことしようとしたら、俺が許さないからな!覚えとけよっ!」
周りで事の成り行きを見ていた生徒たちも巻き添えを食らってて
ただ一人、にこにこしている植本の手をオレは離せなかった
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