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「あのさ」 1日の授業が終わり、帰る支度を始めたとき、拓海がオレの隣に来た 「何?」 「今日、部活見に来てよ」 「え?」 「何か用でもあるの?」 そう聞かれて 「買い物して帰るつもりだけど?」 「終わったら俺が付き合うから」 拓海がこんなふうにオレを誘うのは、オレが気分が落ち込んでる時 拓海がバスケしてる姿は、ホントに楽しそうでカッコよくて 見てると元気になれる でも今は、そんなに落ち込んでるわけでもないし どちらかと言えば、拓海の方がなんか落ち込んでる 「ダメ?」 「いやいいけど…」 「じゃ、体育館で待ってるから」 拓海は笑って、教室を出て行った 「行ってあげなよ」 やりとりを聞いていた山田が帰り支度をしながら言ってきた 「だよね」 「拓海はさ、優さんがじゃなきゃダメなんだからさ」 「そうかなぁ」 「そうだよ」 「でもさ」 「ん?」 「なんで、拓海はあんなに落ち込んでんの?」 オレの言葉に山田は驚いた顔をしてこっちを見る 「え?マジで言ってんの?」 「なっなんだよ」 「はぁ…拓海が可哀想すぎる…」 「何?」 山田はオレの肩に手をやって 「やっぱり、拓海のとこ行ってやって」 「え?」 「拓海の元気の素はさ、優さんだからね」
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