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なんで、拓海が可哀想なんだろ? そう思いながら、体育館のアリーナ席に座る コート内の拓海を見れば、真剣な顔をして支持を出しながら走り回っている 「…やっぱり、カッコイイな」 顎に手を当てて拓海を追えば、こっちに気が付いたのか 「優ちゃん!」 なんて笑顔で手を振る 集中しろよな、なんて思いながら手を振り返せば、ものすごい勢いで手を振ってくる 「波多野!集中しろ!」 コーチから呆れながらも激が飛べば、はいっ!って元気よく返事をしてまたプレイに戻る 全然、元気じゃん ふふふと笑いながら、拓海を見てると 「波多野先輩、カッコいいっすね」 そう言いながら、オレの隣に植本が座る 「どうしたの?」 突然の植本の登場に驚いて、そう聞けば 「先輩のボディーガードになるって言ったじゃないですか」 「ああ、そんなこと言われたな。それ、本気なの?」 「当たり前じゃないですか。マジです」 にこにことしながら、声は真剣 本気なんだと感じるけど 「オレ、そんなに守られるほど何かに狙われてないんですけど?」 「無自覚なんですね」 「は?!」 「その無自覚さはヤバいですからね」 「なんだよ、その無自覚って」 「それは…」 植本がオレの方を向いて、手を握ろうとした瞬間、植本の方にボールが飛んできた 「あぶな…」 言い終わる前に、植本はぱしっとボールを取る そして、 「植本!」 下から拓海がこっちを睨んで叫ぶ 植本はぱんっとボールを叩いてにやりと笑うと、コートの拓海の方に身体を向ける 「危ないっすよ、波多野先輩」 「優ちゃんに触れんな!」 「そんなの、波多野先輩の許可がいるんっすか?」 「いる!それで、植本」 「なんですか?」 「お前からの宣戦布告は受けて立ってやるよ!」
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