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「優ちゃん、何人目?」
バスケットボールを胸に抱え、にこにこしながら声を掛けてる彼
波多野拓海
同級生でバスケ部のエース
うちの学校でも1,2を争うほど人気があり、学校以外にもファンクラブがあるほど
「5人目。いい加減、その優ちゃんって止めろよ」
オレのことを優ちゃんと呼ぶのは、こいつだけ
吉本優大
それがオレの名前なんだけど
「だって、昔からじゃん」
「高校生の男に向かって、その女の子みたいな呼び方すんな」
「似合ってるじゃん」
「似合ってない!」
拓海は、オレに何度そのことを言われてもめげないし止めない
幼馴染で、ずっと一緒にいる拓海はいつもオレのことを女の子のように扱う
小さい頃は、女の子のような顔していて間違われることはかなりあったけど、今はもうそんなことは…多少あるけど無い!
拓海には届かないけど身長もあるし、細い方だけど筋肉だって…あると自分では思う
脱げばあるんだよ!
「優ちゃんさ」
「何だよ」
「可愛い顔してるんだから、そんな顔しないの」
拓海は、オレに近づくと笑顔のまま頭をぽんぽんと叩く
「可愛いっていうな!」
そう言いながらも、本当は拓海にそうされるのが嬉しい
だって、こいつのこと好きだから
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