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「いってっ」 「それはそうだろ」 男の顔にいくつもの傷 それらに消毒液を掛けて、絆創膏をぺたぺたと張る 黙ってれば、イケメンなのにな 目つきはとてもいいとは言えないけど、女の子たちには男らしいモテる顔 「羨ましいな」 「何が?」 ぽそりと呟けば、男はオレを睨みつける 「だってさ、お前かなりのイケメンだよ。モテんだろ」 「はぁ?」 「イケメンでやんちゃでさ。喧嘩も強そうじゃん」 「強ぇんだよ」 「ふふふ。そうだねぇ」 ちょっと不機嫌そうな顔するこいつがちょっと可愛くて思わず笑ってしまう そんなオレをこいつはじっと見つめる 「え?何?」 「あんたもさ」 「ん?」 「モテんだろ?」 「え?」 「綺麗な顔してる」 真っ正面からそんなことを言われて、思わず顔が紅くなる 「な…何言ってんだよ!オレは男だからそんなこと無いよ!」 「あんたさ」 「何?」 「名前なんて言うの?」 「え?」 「俺、植本龍也」 「え?ああ…吉本優大」 植本はオレの名前を聞いて、ものすごく驚いた顔をした え?え?何? 「吉本って、あの吉本?」 「どの吉本だよ」 「マジかぁ…」 植本はさらにじっとオレを見つめて、両肩をがしっと掴まれる 「噂には聞いていたけど、マジですっげー美人だな」 「はぁ?」 「あいつらが騒ぐわけがわかったよ」 そう言われても、どこのどいつが騒いでいるのか、そんなことはどうでもいい 掴まれた両肩が痛いです…
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