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掴まれてた両肩の手を離してもらい、薬箱を片付ける
そして、ソファに座ってる植本に
「腹減ってる?」
「え?」
「これからさ、夕食作ろうと思うんだけどさ」
「吉本さんは作れんの?」
「吉本さん?」
「だって俺、吉本さんの一個下」
「そうなんだぁ」
正直、この歳なら外見は全く見分けがつかない
でも植本はオレのことを知ってるみたいだから、名前を聞いて先輩だってことに気が付いたんだろう
でも、いきなり『さん』さん付けは笑えるけど
オレはくすくす笑いながら、冷蔵庫のドアを開ける
「オレの得意料理は、麦茶なんだけどさ」
「それって、料理じゃないじゃないですか」
「うるさいよ。じゃ、植本……!!」
いつの間にか隣に立っていた植本の顔があってびっくりする
驚いているのはオレだけで、植本は普通の顔して
「これとこれがあれば…ご飯あります?」
「うん」
「じゃ、唐揚げとピラフ作りましょうか?」
「すげー難易度たけぇーな」
「簡単ですって」
「マジか」
植本はすごい笑顔でこっちを見る
…あっ可愛い顔してんじゃん
良い笑顔をするから、根はいいやつなんだって思った
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