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「うげっ」
ずるんとズボンが膝下までずり下ろされた。とっさに跳ね上げようとした脚は絡まってうまくいかない。これだから服など着るものではない。
「おい、やめろ、痛い目見るぞ! 死にたいのか!」
ばたつかせた脚は、足にまとわりつく布のせいで虚しく軽くぶつかるばかりだ。吼えるばかりの犬など怖くないとばかりに、男が下履きを力任せに引き裂いた。ビィィッと布のあげる悲鳴が街壁に反射する。野山を駆けて引き締まった臀部がひやっとした空気にさらされて、ぷつぷつと鳥肌が立った。もちろん悪寒のせいでもあった。
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