1.領主ひとすじの狼が壁尻モブレされる話

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 とっさに声をこらえ、ルフは唇を引き結んだ。男のごつい指が、無遠慮に尻穴に突き立てられたのだ。うまくいかないと見て取ると、今度は指にぬるぬるしたもの、はちみつをつけてもう一度指を押し込んでくる。 「ぐっ、う、う、ぐ」  押して、引いて、押して、引いて。はちみつの粘度に助けられて、くり返すたびに指は少しずつ奥へともぐる。反抗心はまだ失われていないが、先に限界に達したのは筋力だった。どうにか身を起こして振り返ろうとしていた上半身がぐたりとした。つま先が地面から離れて支えを失い、ルフは宙に吊られてぶらんと二つ折りになった。
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