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[戦争が始まりました]
僕はとりあえず武器になりそうな物を探しました。
玄関の傘立てに置いてあった金属バットを手に取りました。
そのまま靴を履き玄関の扉を開けました。
そこは地獄でした。
おびただしい数の殺し合いが行われていたのです。
お隣の坂田さんは血だらけになりながら血だらけの包丁を振り回していました。
向かいに住んでいる村山さんは奇声を挙げながら見知らぬジジイの首を絞めていました。
幼なじみのケンイチ君は笑いながらノコギリで子供の首を切り落としていました。
「をぉぉおおりゃああ~!!!」…と大声で叫びながら巨大ハンマーを振り回してるのは僕のお母さんです。
お母さんの足元には大量の死体が転がっています。
その中にはお父さんのものもありました。
「あら?マサルじゃない?そんな弱そうな武器持ってなにしてるの?」と、言ったお母さんの右目はベチョベチョに潰れていました。
「……………」
「黙ってないで!!なんか言えよ!!言いなさいよ!!マサルちゃーーーーん!!!」と、叫びながらお母さんはエプロンのポケットに忍ばせていたナイフを僕に向かって投げました。
ナイフはビュン!と、物凄い早さで僕の右の頬をかすりました。
僕の頬は薄く切れました。
薄く切れた右の頬からは血が流れました。
僕は恐怖で腰を抜かしました。お母さんは倒れ込んだ僕に近づき「死になさい」と、ささやく様に言いながら僕を見下ろし、ゆっくりと巨大ハンマーを振り上げました。
「さようなら!まさるちゃーーーん!!!」
ハンマーは僕の頭に直撃し口からゲロが飛び出しました。
脳ミソが吹っ飛びました。
薄れゆく意識の中(なぜ僕等は戦争をしているのだろう?)と、少しだけ思いました。
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