1章:くっ、中世のくせに意外と不便じゃない・・だと

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 数年は幸せだった。  仕事に対する情熱の違いに愕然としたが、同国人の性格を思い出しうまくやっていたと思う。出した成績もほかの部長より良かったので更に先が見えたと思った。  そんな時だ。知らない罪で逮捕された。気付けば、ろくな裁判もなく刑務所にいた。  5年近い年月が過ぎ、俺が釈放された時には国の情勢が悪くなっていた。  日本やアメリカに行こうとしたら何故か軍に所属させられていた。  一兵卒ではなく地方軍区の幹部候補にしてもらえたのは思いやりだとでもいうのだろうか。  ……こうして俺は今ここにいる。  まるで田舎の不良の様な部下どもを見ながら治安出動と言う名の民衆を弾圧する日々。  ……やりがいのない仕事だ。  そんなある日、俺は部下3名と一緒に司令部へ呼び出された。  その道中。何もないはずの道中。日陰になるものもない中で急に暗くなった。  そして気付くと見知らぬ森の中にいた。  生えている植物は見たことがない。  道はとんでもない田舎なのだろうかガタガタもいいところだ。
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