1章:くっ、中世のくせに意外と不便じゃない・・だと

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「マイルズ、どうした? 頭痛いのか?」  視界の端に40歳後半の白人男性が現れた。後ろに石でできた人型の何かを引き連れて。 (ルカスじいちゃん? …ちょっとまて、私は生粋の日本人だ。白人の身内なぞ…)  勝の脳内に体験していない記憶と知識がある。  否定しようとした。だが、存在するものを否定できる根拠が見つからない。  その事実が勝の脳内を締め上げる。  その事実はマイルズ3歳の小さな脳には処理できず負担となる。 「XXXXXXXXX!」  駆け寄ってくるルカスの声が、周囲から聞こえる森の声が、ノイズに聞こえる。  ノイズはやがてモザイクに変化し、やがてその小さな脳がパンクする。  倒れるマイルズ。青くなって駆け寄るルカス。 (そうだ寝よう。寝れば起きるしかない。願わくはそれが勝として起きられると…良いのだが)  マイルズ(勝)の意識は電源を落とすように途切れた……。
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