1章:くっ、中世のくせに意外と不便じゃない・・だと

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 さて現状ですが、昨日私が発現?覚醒?してしまい。「マイルズが祖父の農地で倒れる」という事件を起こしてしまいました。そのせいで朝から祖母にがっちりホールドされております。  いわゆる祖母に抱っこされている状況です。  幼児期なにがあるかわからないので仕方のない事なのです。  油断すると祖母が「あ~ん」をして来るのでしっかりとパンを食みます。  時折添えられている祖父農園100%クリームシチューをすすりながら、パンを食みます。  3歳なので口からこぼれてしまいます。そうすると祖母は「あらあら」とか微笑んで口の周りを拭いてくれます。  あ、いえ。中はいいお歳なので結構です。ええ、大丈夫です。こぼしてしまうのは3歳の体のせいなのです。フォローは自分で行います。  味についてですが、祖父農園100%クリームシチュー、野菜がおいしいです。野菜の甘味とか抜群です。欧米文化のくせに抜群においしいです。おかしいです。こんなにおいしい農作物現代では日本ぐらいでしたのに……。もしかしてこちらの農業はとても進んでいるのでしょうか。侮れません。  ですが、残念です。味付けがいまいちです。2食ほど食べましたが塩味の強弱がひどすぎます。あと旨味があまり感じられません。煮込みが甘いです。  人参とか洗って丸かじりしたほうがおいしです。  料理されることを拒否したいのですが、どうやらそうもいきません。  うちはどうやら町でも人気の料理屋のようです。  記憶にある我が家で提供する料理ですが、まるでフレンチのようにかっこいいです。  ですが自宅の味がこれということは……察してしまいます。  ふーっと溜息を吐きだすとパンをちぎってシチューに漬け込みます。  これが正しい食べ方だそうです。ましになります。食べ続けたくありませんが。  現代日本人の味覚を持っている私としてはつらい時間でした。  ふいに元妻の飯マズを思い出します。私が家にいるときは私が料理番。子供たちの弾ける笑顔が懐かしい。  全部食べ終わり空になったお皿に頭を下げ「ご馳走様でした」とつぶやくと祖母が頭をなでてくれます。
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