2章あえて言おう、桃太郎の桃を拾えるお婆さんは大物である!と

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(いや、時計塔があれば還元できる。なんなら小型魔石貰えれば魔法力バッテリーも作れるぞ)  ほほう。それなら作っても怒られませんね。 「マイルズいる?」 「ええ、今マイルズなう! なのです」 (勝さんもいるよ)  勝さん、祖母には聞こえてませんよ? (気分だよ) 「ちょっといいかしら?」 「かまいませんが何かあったのですか?あ、再起動しますのでしばしお待ちを……」  ゆっくりと起き上がると祖母がこまった顔をします。 「いえね、マイルズがこの間作った光学兵器……じゃなくて超小型魔法石搭載型魔法具」  言い直さなくてもそれしかない表現ですよ……。……ああ、木の棒に付けて母の服を焼いたあれですか。 「あれがね、王都の大商家の旦那に見つかっちゃったらしくてね」 「はぁ、それで今いらしていると……」 「そうなのよ、あの人うちの研究所の大スポンサーでね……忙しいところ態々あれの製作者に会いに来たらしいのよ」 「それは奇特な……」 「そうなのよ。あ、貴方の事は私の弟子って事になってるからよろしくね」  そういって私の反応を待たず祖母は応接室の扉を開いた。  中にいたのは背筋がピンと伸びた品の良いご老人だった。  ご老人は私を黙視するとソファーから立ち上がり、猛烈な勢いで私の手を取ります。 「あなたですね! お会いできて光栄です。私、サナエル商会会頭のサナエルと申します。いや~、お会いできて光栄です。貴方があの、陛下が手放しでおほめになられていた高名な魔宝技師、勝様ですね!」  ご老人サナエルの勢いに押される私です。助けを求めるべく私の横で我関せずを徹している祖母を見ます。 「私は秘密って言ったのよ。でもね、国王って名前の馬鹿が漏らしちゃったのよ。決して私がついつい自慢しちゃったわけじゃないのよ」  ……秘密って言葉!  私はまだ手を放してくれないサナエルの言葉にうなずきながら、獣王国にある本体がポチタマに蹂躙されている悪寒に襲われます。  どうやらこの勝さん1号が私が無茶した事柄に関する隠れ蓑にするつもりらしいです。  ……そんなに無茶しましたっけ?私。なぞです……。 (2章完)
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