第六幕 核心

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「私に申したことを、もう一度申してみよ。父上の御前でだ」 「ヒッ……わ、わたくしはただ、提調尚宮様に従っただけです! 所詮、承恩尚宮程度の死因を、くどくどしく書き立てることはない、と仰って……」 「それだけか?」 「い、言う通りにすれば、伝を頼って医官に取り立てていただけると」  男――キム・ビガンの言葉が途切れると同時に、スクジンに冷ややかな視線が集中する。 「……何か、申し開きしたいことはあるか」  王が、厳かに口を開くと、スクジンは遂にその場に膝を折った。 「お許しください、殿下! わたくしは……いえ、三人の亡くなられた承恩尚宮様、及びチョン尚宮様がお倒れになった夜食の毒味係は、コン・ジユ尚宮でございます! ただ、それを日誌に記さぬように水刺間の筆頭尚宮へ指示せよと仰せつかっただけでございます!! それ以上のことは、わたくしは存じません!! 誓って、本当でございます!!」 「仰せつかったって……誰に?」  ソルファは、うっかり素の口調で問い質した。 「“仰せつかった”って言ったよね。提調尚宮様に“仰せつける”ことができるような人間は多くないわ。まさか、王妃様か……」 「いいえ! 王妃様ではありません!!」 「王妃でなければ、誰だ! まさか」  消去法で行けば、全ての女官を統べる長である提調尚宮より上は、王妃以外には一人しかいない。 「お許しください! これ以上はどうか……どうか、わたくしを殺してくださいませ、殿下!!」  必死に頭を地面へ擦り付ける彼女の、悲鳴のような懇願が、後宮の庭先に響いた。
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