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再び水狐の言葉が頭で木霊する。
何に怒っているの?
“神を利用する人間”に、怒りを覚えているのか
“願いを投げ捨てる人間”に、ただ呆れているのか
“人間に振り回されこの社の神になった俺”が、納得できないのだろうか
水狐の言葉をきっかけに自分に問いかける。
そして、己の憤りに戸惑いを覚えた。
そして、己のこれからに疑問を抱いた。
(この前に並ぶ人間に、俺の加護は必要なのだろうか)
「俺………
神様辞めてみようと思う」
素直な気持ちを言葉にしていた。
(俺は、このままここには居たくない)
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