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「おや……狐舞の御大 。久しいの……」
狐舞神社の大神は、大社殿に上がり大国主命に挨拶した後腰を下ろすと同時に声を掛けられた。
「おー、仁和寺の戎か 確かに久しいな」
東北の山奥の仁和寺は、七福神が護る小さな寺だ。
「留守居の神が何故ここに?
実りの秋に持ち場を離れても良いのか?豊穣の神」
大神が尋ねると、戎は朗らかな顔を更に崩して首を振る。
「いやいや、儂もそろそろ代替わりの時期じゃからな。
息子に留守居をさせてみた。
儂も後数年で自由じゃからな……」
その言葉に大神はため息を吐いた。
「そうか……、それは羨ましい」
そんなん彼を見た戎は、不思議に思い尋ねていた。
「何じゃ狐舞の……、お主の息子……えっと白狐だったか?
かなりの潜在能力の神と聞いておるぞ。
お主も先は安泰では無いか………」
その言葉に又ため息が出る。
「それがの……、恥ずかしながらちと困って居るのじゃ。
どうしたものかと思ってな……」
「うん………?何じゃ……?
何か有ったのか?儂で良ければ話してみぃ」
狐舞の大神は、恥ずかしながらと白狐の境遇と今を話して聞かせた。
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