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*** 白狐は、あの日からずっと囚われていた。 三神 弓弦の言葉に…… 人の“願い”に疲れていた。 人の浅はかな心に嫌気がさした。 人の無知に呆れ果てた。 人の欲深さに憤りを覚えた。 神としての自分の在るべき姿を見失っていた。 護るべき人間の願いに心を閉ざした。 その頑なな白狐の心に届いたのは 《神に願う事は無い》 一人の青年のその言葉。 そして、彼から聞こえる涼やかな鈴の音だった。
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